本日は、2023/9/9から山梨県立美術館で開催されている
『テルマエ展』で古代ローマの技術を堪能してきた話ですよ。
※本ページはプロモーションが含まれています
ローマも日本もI LOVE 湯♨
特別展は、受付の左側を通りショップの脇を突き進み2階にあります。
テルマエ/古代都市ローマと公共浴場
テルマエといえば‥
現代日本と古代ローマがお風呂でつながってしまうお話
テルマエ・ロマエ1で有名になった言葉ですが…
「熱い」という意味のギリシャ語「テルモス」が由来したローマの公共浴場を指します。
お風呂というよりは、フィットネスクラブとかスパリゾート的なものと解釈する方もいますね。
こちらは「カラカラ帝胸像」
212~216年 大理石
212~216年に彼が造った『カラカラ浴場』は
今でも地上に遺構がよく残っているそうです。
我ながら上手く撮れたと思っている。(笑)
この時代で大理石をここまで細かく美しく彫れる技術があったのかと思うと
私は古代ローマ人を舐めすぎていたな。
「アグリッパ胸像」
現代のもの。
こちらは石膏で作られたデッサン用の胸像だそうです。
アグリッパさんは初代皇帝アウグストゥスの右腕だった方で、
ローマ市初のテルマエを建設、初代水道管理官になった方。
4世紀のローマ市内の大規模な浴場は11、小規模浴場は900軒前後あったそうです。
古代ローマ都市のくらし
庶民の生活と、娯楽などが紹介されています。
「炭化したパン」
パニス・クアドラトゥスと呼ばれる典型的な形のパン。
人名みたい(笑)
これはレプリカですが、見た感じ膨らんでいるので
発酵する技術がこの頃からあったのかな?とパン作りが好きな私は興味津々。
小学校の教科書に、世界最古のケーキが掲載されていたけど
なんで食べなかったんだろう‥と考える。
このパンは、79年/ポンペイと表記されていることもあり
ベスビオ噴火に巻き込まれた悲劇のパンなのだ…
他にも、金貨や銀貨などの展示がありましたが
撮影不可でした…。
是非、美術館に足を運んでくださいね♪
庶民の生活の中でも、娯楽はいくつかあったようです。
演劇や剣闘士の先頭
「2つの仮面を表した浮彫」
左「美しき若者(もしくはサテュロス)」右「剛毛の奴隷」
4隅には、釘で固定する穴があるので劇場の壁に飾られていたのかしら?
表面には彩色の痕跡があったようで、当時はカラフルな装飾品だったのかもしれない。
それにしても、奴隷が存在する時代…
マウント思考は昔から動物に備わった本能なのかと悲しくなります😥
「悲劇の仮面を表した軒瓦(アンテフィクス)」
この位置からだと、とても切ない表情に見える。
下から覗くと「Wow!!」みたいな顔してる😏
日本にも厄除けの意味を込められた鬼瓦はあるけれど、
こちらは「白髪の老人」とされていて、建物の守護的要因ではなく飾りだったのかしら。
古代ギリシャやローマの演劇では、俳優は仮面をつけて演じていたようですが
木製や革製だったため、現存していないようです。
「劇場の舞台建築ファサード(スカエナエ・フロンス)の模型」
ファサードとは‥建物を正面から見た時の外観だそうです。
模型という事もあり、そこまで精巧につくられていない印象。
テラコッタで作られており、
紀元前3~2世紀のものでもここまで綺麗に形が残っている。
「兜(レプリカ)」ポンペイ 大劇場の回廊 1~50年
トラキア人剣闘士の兜。
剣闘士というと、凛々しく勇ましい印象ですが、
日本の武士と同等で考えていた私は無知だったようで
剣闘士はかなり身分の低い人達だったようです。
殺し合いまでさせられるのだから…そうだよね。。
しかし、時代ともに自ら職業として剣闘士になる人も出てきたようで
特に、トラキア人剣闘士は人気が高かったようです。
-闘うグラディエーター 実は格闘エンターテインメント/NIKKEI STYLE
「兜(レプリカ)」ポンペイ 大劇場の回廊 75~79年
剣闘士の装備によって、対戦相手はある程度決まっており
これはトラキア人剣闘士の兜と比べると、とてもシンプルな作り。
というのも、リティアリウス(投網剣闘士)との対戦に特化したセクトル(追撃剣闘士)のもので
投網に引っかからないように凹凸が少ないのだとか…
角は網に引っかかるような…
その他、目をくり抜かれないよう開口部は極めて小さく作られている。
エグイ。
セクトルは、短剣と長方形の盾で武装したようだけど
投網にたいして短剣て。
こちらは、武器ではなく
「ワインテイスティング用管」ポンペイ 1世紀
先端がカーブしているけれど、ストローのようになっている。
「裕福なものたちの宴席では、肉や魚、果物を使ったさまざまな料理が食されていたぞ」
と、ルシウスも言っているように
古代ローマでは奴隷たちの給仕で、コース料理が振舞われていたそうです。
前菜…主に卵料理、他にもオリーブ、レタス、チーズやソーセージが定番
主菜…さまざまな肉や魚
デザート…果物・ドライフルーツや、小麦粉・卵・はちみつなどを使った菓子
🍷ワインは水で割って飲むのが普通だったそうです。
「ヘタイラ(遊女)のいる饗宴」フレスコ画
フレスコ画といって、漆喰またはモルタルの上に描く技法だそうです。
フレスコは、まず壁に漆喰(またはモルタル)を塗り、その漆喰がまだ「フレスコ(新鮮)」である状態で、つまり生乾きの間に水または石灰水で溶いた顔料で描く。やり直しが効かないため、高度な計画と技術力を必要とする。逆に、一旦乾くと水に浸けても滲まないことで保存に適した方法だった。失敗した場合は漆喰をかき落とし、やり直すほかはない。
–Wikipediaより一部編集
よくみると、砂利のようなものが見えますね。
先日、世界一受けたい授業2にて
「2000年経っても現存するローマン・コンクリート」のお話があったのを思い出しました。
水を含むと自己修復できるコンクリートとして、研究がされており
現代のコンクリートでも自己修復できるコンクリートの開発がされているようです。
漆喰やモルタル、コンクリートの違いはイマイチわかりませんが
この時代からほとんど建築の素材って変わっていないんだなあ。と思います。
「魚のある静物」フレスコ画
どこに描かれていた作品かは不明ですが、当時の生活が伺えます。
説明では、下段は籠からヒメジ2尾・あさり2個・イカ1杯がこぼれ
上段にはカサガイ・イカ・アスパラガス1束と、左上に脚を縛られた鶏がいるようです。
魚介もお肉もお野菜も、
この時代のものは綺麗な水と空気で育っているので栄養豊富だろうな.。o○
この時代でもウナギは比較的高価な食材だったようです。
ウナギは現代でも、謎多き食材なのです。
「ワイン輸送用アンフォラ」前1世紀後半~後2世紀
アンフォラとは2つの把手がある大きな土器。
ワイン以外にも、オリーブオイルや様々な食料品の貯蓄・運搬用に使われていたようです。
下が尖っているのは、船倉に積みやすくするためだとか。
「緑釉木蔦文把手付椀」
急に日本の器のような名前の作品になりましたが、
れっきとした古代ローマのものです。
右の模様をアップで見てみましょう。
こういう色合いの器、高校の美術の授業で作ったような(笑)
古代ローマではとても高価だったとされる銀器を模して陶器で作られたそうです。
釉薬が使われ光沢を出す技術も、この時代からあったとは!
「銀器は富裕層の饗宴には欠かすことのできないステータスシンボル」だったそうで
何時の時代も、セレブはインフルエンサーだったのね。
古代ローマの浴場
「図書館や運動場が併設されたテルマエもあったのだぞ」
とルシウスが言うように、
現代でいうスパランドやフィットネスジムみたいなテルマエもあったようです。
テルマエでの入浴は複数の浴室を巡る循環浴だった。
まずは衣を脱ぎ、軽く運動する。それから冷浴室で水浴びし、温浴室で体を慣らしてから熱浴室で熱い湯に入る(逆順という説もある。)
熱で肌が柔らかくなったら、くつろぎながらマッサージを受ける。
テルマエは体を洗うだけではなく、身体を動かし、人々と交流して、心身の健康を保つための場所だった。
食事や音楽に加え、朗読会を楽しむなど、文化サロン的な側面もあり、トラヤヌス浴場やカラカラ浴場には図書館も併設されていた。
テルマエは社交の場であると同時に、社会階層の垣根を越えて裸で接する事が可能な場でもあり、皇帝が姿を現すこともあったという。
-美術館説明より一部抜粋
日本のスパランド文化と相違なし。(笑)
「ローマのテルマエはギリシャの伝統も受け継いでいるのだ」
と仰るルシウスさん。
テルマエのルーツの一つに、
古代ギリシャの運動施設(ギュムナシウム)におけるアスリートの水浴があるらしい。
ギリシャでは若者たちは肌に油を塗り、全裸で運動をしたため
その後はストリギリスという肌かき器で汚れを落とし、水で身体を洗う必要があったという。
これがその肌かき器、「ストリギリス」
肌は搔けるけど、汚れは落とせる気がしない‥と思ったけれど
カーブした部分を体にあてて使うものだそうです。
また、マッサージにも用いられたとのこと。
古代ギリシャとローマのテルマエの違いは
ギリシャ時代は運動競技祭に参加するアスリートの水浴に対し、
ローマ時代は軽く汗をかいた後、あたたかい入浴が目的だったという事。
ギリシャのアスリートというと
オリンピア選手が浮かぶなあ。
ローマ時代になると、急に庶民的になるね。
入浴後は、再び油を塗って肌を整えたというから
お風呂後にクリームを塗る行為の起源は、古代ギリシャからあったんだね!
「入浴道具」
香油壺・肌かき器(カーブがそれぞれ違う)・小皿のセット。
小皿はお湯をかけるために使われたものです。
ぼやけてしまいましたが、入浴道具をまとめている輪には2匹の犬の頭部が★
オシャレな入浴道具ですね。
「アッティカ赤儀式キュリクス(酒杯)」
大き目の酒杯。
みんなでお酒を回し飲みしたのかしら?
アップにすると、ラーメン丼みたいな柄と肌かき器らしきものを持った人物がいます。
ちなみにラーメン丼の四角い渦巻き模様は、
字の如く中国で自然界の驚異の象徴である雷をかたどった伝統の文様である。古くは中国の殷や周の時代の青銅器に多くみられた。とのこと。こちらから引用。
No.45「カミソリ」
輪のついた棒が持ち手。
古代ギリシャでは成人男性は髭を伸ばすのが慣わしだったようですが
ローマでは対照的に成人男性は髭剃りが一般的であり、専門の職人がいたようです。
No.46「カミソリ」
透かし彫りで装飾された骨製の持ち手に、鉄の刃が差し込まれている。
「蓋つき香油壺」ガラス製
綺麗なガラス製の香油壺にはオイルやバームが入れられていた。
他の香油壺など。
「ゴールドバンド装飾瓶」
透明ガラスに金箔を挟み込んだ棒「ゴールドバンドガラス」を用いた技法で作られている。
10㎝くらいのキレイな瓶。
天然石の模様を再現しようとした古代の人々の探求心が垣間見える繊細な作品。
医療と健康の展示では、
「入浴は健康や医療とも直結している」と説明されています。
体を温めることで、古代の人たちも( ´Д`)=3 フゥっと一息ついて
心身ともに癒されることを知っていたんですね。
温泉という意味で用いられる「スパ」という言葉は、
「水による健康(sanus per aquam」というラテン語に由来するそうです。
「アポロとニンフヘの奉納浮彫」
ニンフとは…ギリシア神話で、女の姿をして、おもに川や泉の辺に出て来る精霊。妖精(ようせい)3
とされ、疫病を祓う治癒神・アポロと共に祀られている温泉があるそうです。
古代文字なんかを勉強されているかたは、
何が書いてあるのか解読するのも楽しいのだろうなぁ.。o○
治癒神である「アポロ・ピュティウス坐像」
頭部と両腕は、近代の修復との事です。
少し色が違うのが分かりますね。
「外科器具入れ」
青銅で作られた小匙・探り針・小ヘラが収められたもの。
現代の医療と違い、今では考えられない医療も存在するので
正直恐ろしさがある…😨ドキドキ
「人体をかたどった奉納模型(足・手)」前3世紀~前2世紀
病気が治りますように‥と神様に奉納するものではなく
快癒した感謝の気持ちを込めて奉納するものだそうです。
こちらは、コロネではなく子宮です。
不思議な形。
日本でも、縄文時代に土偶が作られて人型として病気を移すために使われたり
祈願に使われていたらしいけれど
離れていても、人間は同じような事を考えるものなのだろうか‥
女性たちの装いでは、数々の装飾品が見られます。
「着衣女性像」
古代ローマの指輪と橋本コレクションのコーナーでは
数々のアクセサリーが展示されております。
光の加減で全然撮影が出来なかったのですが
この時代にこんな繊細な技術があったんだ!!!
どうやって彫ったんだ!!!という細い線や細かい人の表情など…
見ていて感動しかありませんでした。
こちらのブログさんで一部紹介されています☟(同じものかは不明)
まえらんの混沌の日々 -maela’s chaos-
大好きなカメオがたくさんありました♪
1つくらい古代ローマブランドの指輪が欲しい。
このコレクションを提供されている橋本氏とは??
今回コレクターの橋本氏(橋本貴志さん)について改めて調べてみてわかったことは、
1924年東京のお生まれで、今年90歳になられること。2014年08月06日時点
古美術鑑賞家、元実業家、東京藝術学校(現東京芸大)油絵科卒。
指輪は1989年から2002年にかけてオークションでご自身が買い集められたこと。
コレクションなさった指輪は全部で720点、オークションでセットで落札されたその他の宝飾品を合わせると800点以上にのぼること。
今までも東洋や西洋の古美術のコレクションを国立博物館や母校に寄贈してきた実績があること。亡くなられた奥様は満州の成功した実業家のお嬢様で作家の中島敦氏のいとこでいらしたこと。。。※赤文字は管理人が編集しております
三幸物産株式会社HP
膨大な量なので書ききれません‥
ほとんどの作品を撮影出来たため
その全てをカメラに収めたのでブログで公開しようと思いましたが‥
とても編集が追い付きません😓
なので、作品リストと他の方のブログを貼っておきます☟
山梨県立美術館でシュルレアリスムを堪能した話も合わせてどうぞ♪
- 漫画家ヤマザキマリ氏の作品:実写化映画も公開された ↩︎
- 日本テレビ系列で毎週土曜 夜7:56~放送されている番組 ↩︎
- Oxford Languagesの定義 ↩︎
中途半端になってしまいましたが、
本日もご覧くださり、ありがとうございました☺
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