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タイトルが奇妙で印象的だったので気になっていたのですが、
コロナ禍ということもあり映画館で観るのは諦めていました。
しかし、1年も経たずにアマプラで観られるとは思いませんでした♪
しかし、ザリガニって鳴くのかい?
どこで鳴くんだい??と本編とは全く関係ない事に興味を持ってしまった🦞
ややネタバレあり、真面目に書かないので、サラッと読んでください。
『ザリガニの鳴くところ』あらすじ
1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、
裕福な家庭で育ち将来を期待されていた青年の変死体が発見された。
容疑をかけられたのは、
‟ザリガニが鳴く”と言われる湿地帯でたったひとり育った、無垢な少女カイア。
彼女は6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、
花、草木、魚、鳥など、湿地の自然から生きる術を学び、ひとりで生き抜いてきた。
そんな彼女の世界に迷い込んだ、心優しきひとりの青年。
彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める…。

ザリガニの鳴くところ (字幕版)
レビューと考察
2時間くらいの映画でしたが、体感では3時間くらいに感じたのは
短時間に色んな出来事が詰め込まれたからでしょうか。
面白かったか?と言ったら、普通です。
ミステリーとして捉えると弱い気がしますが、
Amazonでは「ドラマ」と表現されいているし、私もドラマだと思っています。
事件の真相は「もしかして、あの映画と同じパターン?」と思っていましたが、
おそらく正解だと思います。
(最後に紹介しています)
物語は、主人公・カイヤの回想する過酷な幼少期、
合間に事件の裁判のシーン、
美しい女性に成長したカイヤと2人の男性との恋…
裁判の判決、裁判後のカイヤの生活と亡くなるまで
と淡々とした内容で
ハラハラドキドキ系が好きな人は、飽きちゃうかもしれません。
自然や動物が好きな人は、芸術作品として観れるかもしれません。

私も自然の作る色彩の美しさを楽しんでいました。
ちなみに恋するカイヤたちは、キスばっかしてるので
そういうシーンを一緒に観るのが気まずい相手とは見ない様に(笑)
予告を観て期待しすぎた
観た後に、予告の内容が少々一致しない感じがしました。
人の興味を惹く演出をし過ぎて、期待を裏切るかなぁ‥と。
興行収入を得るために仕方のない事なのですが
あまり予告を盛ってしまうと、「つまんない」というレビューが増えそうな気がする。
ミステリーというよりは、一人の女性の生き方を描いた作品だと思っている。
「この事件の真相は、初恋の中に沈んでいる…」
がいまいちピンとこないかも。
このワードに引っ張られて、推理をミスリードされる感じもあるし。
カイヤの人生から作られた価値観
映画の冒頭3分もしない頃に、裕福な家で育ったチェイスという青年の遺体が発見されます。
ダイナーの客の会話では、「チェイスは女房は美人、親は名士」と評されているが、
「見境なく女に手を出す奴」というチャラ男の印象も持たれています。
もう、この時から「え、女房がいるの?」と、
観てもいないチェイスが嫌いになってしまった。(笑)
ダイナーの女客の話を後ろで聞いていた警察が
カイヤを逮捕するまでに10分くらいです。
物語の大半は、裁判の内容というよりは
カイヤのこれまでの人生がどんなものだったか。
これは映画を観ている私たちだけが知れる事であり
カイヤを”湿地の女”と呼び、
彼女を知りもしないで嫌悪していた街の住民には分からない事。
(チェイスを嫌う私も同じ人間だな…)
私からみたカイヤは、次々と家族が離れて行き、
ついには一人になってしまっても逞しく生きてきた女性。
心許したごくわずかな人間以外には、恐怖心や警戒心を抱き、遠ざけているけれど
心の奥底では、自分の存在が無いように感じとても孤独感の強い女性。
それもあってか、一度心を開いてしまうと、
無防備では?と思うほど人を信じてしまう純粋さと危うさがある。
しかし、2人の男性に裏切られたカイヤは、野生動物のように攻撃する。
学校にも行かず、人との関わり方も礼儀も習ってこられなかった彼女は
自然から多くを学び、「普通の価値観」をあまり持ち合わせていない。
父親のDVのせいで家を出た優しい母から、一度だけ手紙が届きます。
しかし、字を読めないカイヤは、その内容を知らないまま、
手紙は父親によって燃やされてしまいます・・・
(後半で書かれていた内容は明かされます)
このシーンを観た時は、「知識や教育って大切だな」と思ったものです。
その後、文字を教えてもらい読み書きができる様になるのですが、
知識があるだけで、彼女の世界が少し広くなります。
本の面白さもわかるし、自分が伝えたい事を残すこともできる。
そして、湿地の自然について書いた本が出版されるのですが、
本の編集者と話している時の会話で
「自然には善悪がない、すべてが生きるため」と語ります。
彼女は、自然の動物、昆虫のように純粋だった。
蛍のように自分の欲求を満たすため、利己的になる事もあるのかもしれない。
それは、見る角度によっては「利己的」ではなく生きるための純粋な行動だとも思う。
犯人さがしのミステリー映画ではないので‥
裁判のシーンは見ごたえが無く、かなりずさんな内容。
殺人の証拠もないのに、警察は偏見で逮捕したようなものだし。
判決がでても、「じゃあ、やぐらに指紋が無かったのは何故?」
「どうやってチェイスは死んだの?」と謎が残るばかり。
この映画では、「犯人はこの人だろう‥」という推測しかできない終わり方をします。
多くの映画は、殺害シーンをちゃんと回想するけど、この映画では、やぐらの下に遺体があるだけ。

だからミステリーという捉え方は違う感じがする。
犯人は誰だったのか空想が止まらない‥
監督のオリヴィア・ニューマンの話でも犯人についての情報は見られず。
秘密事項だから、言わないか。(笑)
もしかしたら、カイヤはテイトをかばっていたのかもしれないし、
逆に、本当は事故だったのに、テイトが「まさかカイヤが‥」と思って
やぐらの指紋を全部拭き取ったのかもしれないし。(笑)
貝殻ネックレスだって、事件後に奪われたのではなく、
カイヤと喧嘩したチェイスが苛立って湿地に捨てたものを、カイヤが拾っただけかもしれない。
(珍しい貝殻だから、最低な男にあげたこと後悔してたと思う)
でもこれは、犯人どうこうのお話ではなく
先ほども書いたように、カイヤの生い立ち・人生の話であって
その中で培われたカイヤの価値観と私たちの価値観は違うのだと感じる。
ザリガニが鳴くところとは、どこ?
ちなみに、アンミカさんが言った
「タイトルの意味が分かったときに人の優しさとか、生きるとは何か考えさせられて泣ける」が分からん。
タイトルの意味が未だに分からん(笑)
ザリガニは音を発する事はあるけれど、声を出す事は無いそうです。
という事で、カイヤの母・兄が言った「ザリガニの鳴くところに逃げろ」というのは
本当はどこにもない場所だから、「ずっと遠くへ逃げろ」ってことなのかな?と思ったり。
原作小説には、「茂みの奥深く生き物たちが自然のままの姿で生きてる場所」と明記されているようですが、映画ではカイヤの住んでいたところが、まさにその場所だったから「ん??」となる
原作小説は500ページにもなる長編のようですが、
あっという間に読めてしまうほど面白い内容みたいなので、小説も読んでみよう♪
ところで、映画の中にザリガニ出てきたっけ??
もう一回観るしかないな。。

ザリガニの鳴くところ (字幕版)
観賞中、思い出した映画4選
もしかして、結末はこれと似てるのかな??と思った映画。
母なる証明(字幕版)

シックス・センス (字幕版)
まとまりの無い話になってしまったけど
気になる人は、無料公開がいつまでか分からないので、すぐに観て~🦞
本日もご覧くださりありがとうございました♪
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