シュルレアリスムの作品が好きな管理人です。
特にマグリットはお部屋に絵を飾るくらい大好き♪
年末に山梨県立美術館にて、
地元甲府市出身のシュルレアリスム画家である米倉壽仁(よねくらひさひと)さんの絵を鑑賞してきました。
もう終わってしまったんだけど(笑)
シュルレアリスム(シュールレアリズム、シュールリアリズムとも呼ばれる)の概念は、
詳細を説明するととても難しいし、私もうまく理解してないので
夢に出てきそうな変な絵って思っています(私論)
だけど、超現実主義と言われるので不思議な気持ち。
米倉壽仁さん
パンプレットより一部引用・・・
20世紀という激動の時代を通して「芸術とは何か?」を思考し続けた米倉壽仁(1905~1994)。
明治末期の甲府に生まれた米倉は、第一次世界大戦のフランスから世界中に広がったシュルレアリスム(超現実主義)に独学で取り組んだ画家、詩人です。
シュルレアリスムとは、理性による制約や先入観を離れた人間の無意識下にあるものを表そうとする芸術運動です。
米倉は前衛画家が集った「美術文化協会」や、戦後に結成した「サロン・ド・ジュワン」などで絵画を発表すると同時に、詩集『透明ナ歳月』をはじめ多くの文芸作品も残しました。
作品の一部
作品の中には、撮影がOKのものも沢山あったので、サイレントで撮影させて頂きました。
時系列はバラバラになってしまいますが、ご理解ください。
展示はこのように、絵画と共に詩が添えられている事もありました。
とても鮮やかな青と、不気味な骨の白さの対比は目を惹きます。
叙情的で色を感じさせる詩は、とても寂しい気持ちになります。
原画は1931年に消失してしまい、こちらの作品は作家自身の手によって復元された作品。
フランスの詩人であるジャン・コクトーによる詩「Nocturne(夜曲)」から着想を得て描かれ、
原画が第18回二科展に入選したことで、米倉はシュルレアリスム画家として歩むことを決意。
また、米倉が1937年に出版した詩集『透明ナ歳月』には「斷章」という詩が収められ、本作が挿絵として掲載された。
(絵画説明より)
鮮やかさの中に影が落ちている作品もいくつかありました。
良くない未来へ向かう世界情勢を反映しているようです。
この作品が描かれた1936年の世界情勢は第二次世界大戦へ向かって動いており
米倉は『ヨーロッパ的物質文明の崩壊による第二次世界大戦への予感。』と本作に解説を付け、
他人事ではない不安感や焦燥感、戦争に対する批判を込めた。(絵画説明より)
頭蓋骨のような卵の殻のような白いモチーフは「死」や「儚さ」を感じさせ、
遠くの方でとらわれている人影は、天に昇る馬に助けを求めている様にも見えます。
この作品はミュージアムショップにてポストカードが販売されていたので、
今年のスケジュール帳の表紙にしております。
植物と女性が描かれたこちらの作品は、
それぞれに光と翳(かげ)と作品名が付けられており対比を匂わせます。
こちらの卵の殻をモチーフにした作品も、対になっているように展示されていました。
もう一つは外の看板に使われているこちらの作品です。
使いまわしでスミマセヌ。。
発表されたのは、破局の方が先ですね。
枯れた植物や布を纏った人、暖色はあまり使われておらず冷たくて寂しい感じがします。
一方、早春では花が描かれ明るさもあります。
希望を感じる「春」という言葉に作家の心が表れているのでしょうか。
これらの作品には、詩が添えられています。
破局「卵が壊れるような人生の挫折」
早春「卵が割れれば新しい人生の出発」
終わりは、始まるための通過点ですね。
こちらは色使いや筆のタッチが少し違うように思います。
少し、私の好きなマグリットを思わせる作品。
鏡という作品名ですが、等しい関係というよりは、凸凹の関係というのでしょうか
2つの絵が重なって初めて1つの「ドレスを纏い、センスを持ってポーズする女性」が表れる。
私的には、これぞまさにシュルレアリスムという感じがするのです。
見えているものが分解されていく様が好きです。
以下の作品は1930年~みられる鮮やかな青よりも、
孤独や恐怖を連想させる暗い青が用いられています。
他の画家にも言える事ですが、
作品のモチーフや色使い、作風でその時の心情や世界背景が見えてきますよね。
米倉氏に至っては、絵画作品だけでなく詩という「言葉」でよりその心情が伝わります。
絵よりもストレートに伝わる言葉ですら、
シュルレアリスムのような曖昧で幻想的な作品はありますが…
こちらは、優しさや穏やかさを思させる色使いで花が描かれた作品ですが、
日本のイロハ唄の中に「MEMENTO MORI(メメント・モリ)」、ラテン語で「死を思え」というメッセージが添えられています。
いろは歌は、昔の「あいうえお(50音)」なんて教わった事がありますが、
仏教のお経の中に出てくる「諸行無常」「是生滅法」「生滅滅已」「寂滅為楽」を表しているのだとか‥
ちょっと難しくなるので、各自で調べるように(笑)
米倉氏は、いろは歌とメメント・モリに共通性を見出したのでしょうか。
この世は移ろい変わっていくもので、命もまた終わりに向かい変化していく。
いつか来る死を思い、死を忘れるな。
生きている時間を無駄にしない様に・・・と私は受け取りました。
引きこもり約5年の間に、私はどれだけ失ってしまったか。。
その時間が戻る事はないけど、意味のあるものに変えていくのはこれから。
花は、命の象徴なのかしら?
花は、散るために咲いているわけではなく、何かを残して散っていくと思っています。
新しい命だったり、人への感動だったり。
人もまた同じように。
年パス(3140円)をゲット
山梨県立美術館の観覧料は、私の年齢で一人あたり
コレクション展 | 520円 |
特別展 | 1000円 |
コレクション+特別展 | 1260円 |
となりまして、
年間パスポート(定期観覧券)は3140円なので、
フラッと暇つぶしに行くこともありそうなので購入した方がお得です。
また、山梨県内の県立美術館、県立文学館、県立考古博物館、県立博物館で提示すると、
少しお得に入館できるようです。
大学生は1570円だよ。
詳細の料金表☞こちら
作られる方は顔写真を撮影するので注意(笑)
2回撮影してくださりましたが、微動だにしなかったので全く同じ写真が撮れました。
どっちでもいいです。って言いました。
レストランで食事をする前に購入し、食事後に受け取りました。
おわりに
久しぶりの美術鑑賞。
とても心が潤いました♪
美術館のお庭には薔薇が植えられていて、2021年には薔薇園の拡張工事がされました。
広くなってからは、まだ行っていないけど、今年の薔薇の時期がとても楽しみです🌹
春になると、近くの川沿い(芸術の小径)では桜並木と菜の花が見られます。
とても長い並木道なので、お散歩におススメです。
君、毎年花粉症で死んでるけどね。
好きな事をする時間を増やしていきたいと思う今日この頃でした。
本日もご覧くださり、ありがとうございます☺
コメント