映画『ザリガニの鳴くところ』(2022年)。
タイトルがとても奇妙で印象的で
気になっていたものの、コロナ禍という事もあり
映画館で観る事はあきらめていたのですが、
まさか1年も経たずしてアマプラで観れるとは…
しかし、ザリガニって鳴くのかい?
どこで鳴くんだい??と本編とは全く関係ない事に興味を持ってしまった。
本日は、映画の感想と考察のお話です。
ネタバレあり、真面目に書かないので、ザっと読んでください。
※本ページはプロモーションが含まれています
あらすじ(公式)
1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、
裕福な家庭で育ち将来を期待されていた青年の変死体が発見された。
容疑をかけられたのは、
‟ザリガニが鳴く”と言われる湿地帯でたったひとり育った、無垢な少女カイア。
彼女は6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、
花、草木、魚、鳥など、湿地の自然から生きる術を学び、ひとりで生き抜いてきた。
そんな彼女の世界に迷い込んだ、心優しきひとりの青年。
彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める…。
感想
2時間くらいの映画でしたが、体感では3時間くらいに感じたのは
短時間に色んな出来事が詰め込まれたからでしょうか。
面白かったか?と言ったら、普通です。
事件の真相も「もしかして、あの映画と同じパターン??」と思っていたら正解でした。
物語は、主人公(カイヤ)の回想する過酷な幼少期、
合間に事件の裁判のシーン、
美しい女性に成長したカイヤと2人の男性との恋…
裁判の判決、裁判後のカイヤの生活と亡くなるまで
と淡々とした内容です。
ハラハラドキドキ系が好きな人は、飽きちゃうかもしれません。
自然や動物が好きな人は、芸術作品として観れるかもしれませんね。
ちなみに恋するカイヤたちは、キスばっかしてるので
そういうシーンを一緒に観るのが気まずい相手とは見ない様に(笑)
観た後に、予告の内容が少々一致しない感じがしました。
人の興味を惹く演出をし過ぎて、期待を裏切るかなぁ‥と。
まあ、興行収入を得るために仕方のない事なのですが
あまり予告を盛ってしまうと、「つまんない」というレビューが増えそうな気がする。
ミステリーというよりは、一人の女性の生き方みたいな感じ。
「この事件の真相は、初恋の中に沈んでいる…」
がいまいちピンとこないかも。
このワードに引っ張られて、推理をミスリードされる感じもあるし。
冒頭3分もしない頃に、裕福な家で育ったチェイスという青年の遺体が発見され
ダイナーの客の会話では、チェイスは「女房は美人、親は名士」と言われているが
「見境なく女に手を出す奴」とチャラ男の印象が‥
もう、この時から「え、女房がいるの??」と
観てもいないチェイスが嫌いになった。(笑)
ダイナーの女客の話を後ろで聞いていた警察が
カイヤを逮捕するまでに10分くらいです。
物語の大半は、裁判の内容というよりは
カイヤのこれまでの人生がどんなものだったか。
これは映画を観ている私たちだけが知れる事であり
カイヤを”湿地の女”と呼び、
彼女を知りもしないで嫌悪していた街の住民には分からない事。
(チェイスを嫌う私も同じ人間だな…)
私からみたカイヤは、次々と家族が離れて行き、
ついには一人になってしまっても逞しく生きてきた女性。
心許したごくわずかな人間以外には、恐怖心や警戒心を抱き、遠ざけているけれど
心の奥底では、自分の存在が無いように感じとても孤独感の強い女性。
それもあってか、一度心を開いてしまうと、
無防備では?と思うほど人を信じてしまう純粋さがある。
しかし、2人の男性に裏切られたカイヤは、野生動物のように攻撃する。
学校にも行かず、人との関わり方も礼儀も習ってこれなかった彼女は
自然から多くを学び、「普通の価値観」をあまり持ち合わせていない。
父親のDVのせいで出て行った優しい母から、
一度だけ手紙が届くのだけど、字の読めないカイヤは
内容が分からないまま父親に燃やされてしまう。
(劇中で何が書かれていたかは分かるんだけど)
このシーンを観た時は、「知識ってやはり大切だな」と思ったものです。
知識があるだけで、世界が広くなる。
本の面白さもわかるし、自分が伝えたい事を残すこともできる。
そして、湿地の自然について書いた本が出版されるのですが、
本の編集者と話している時の会話で
「自然には善悪がない、すべてが生きるため」と語る。
彼女は、自然の動物、昆虫のように純粋だった。
蛍のように自分の欲求を満たすため、利己的になる事もあるのかもしれない。
それは、見る角度によっては「利己的」ではなく生きるための純粋な行動だとも思う。
裁判のシーンは見ごたえが無く、かなりずさんな内容。
殺人の証拠もないのに、警察は偏見で逮捕したようなものだし。
判決がでても、「じゃあ、やぐらに指紋が無かったのは何故?」など謎が残るばかり。
この映画では、「犯人はこの人だろう‥」という推測しかできない終わり方をする。
多くの映画は、殺害シーンをちゃんと回想するけど、
この映画では、やぐらの下に遺体があるだけ。
監督のオリヴィア・ニューマンの話でも犯人についての情報は見られず。
秘密事項だから、言わないか。(笑)
もしかしたら、テイトをかばっていたのかもしれないし。
事故だったのに、テイトが「まさかカイヤが‥」と思って
やぐらの指紋全部拭き取ったのかもしれないし。(笑)
貝殻ネックレスだって、事件の日に奪われたのではなく
カイヤと喧嘩したチェイスが苛立って湿地に捨てたものをカイヤが拾っただけかもしれないし。
でもこれは、犯人どうこうのお話ではなく
先ほども書いたように、カイヤの生い立ち・人生の話であって
その中で培われたカイヤの価値観と私たちの価値観は違うのだと感じる。
ちなみに、アンミカさんが言った
「タイトルの意味が分かったときに人の優しさとか、生きるとは何か考えさせられて泣ける」が分からん。(笑)
タイトルの意味が分からん(笑)
ザリガニは音を発する事はあるけれど、声を出す事は無いそうです。
という事で、カイヤの母・兄が言った「ザリガニの鳴くところに逃げろ」というのは
本当はどこにもない場所だから、「ずっと遠くへ逃げろ」ってことなのかな??と思ったり。
原作小説には、「茂みの奥深く生き物たちが自然のままの姿で生きてる場所」と明記されているようですが、映画ではカイヤの住んでいたところが、まさにその場所だったから「ん??」となる。
原作小説は500ページにもなる長編のようですが、
あっという間に読めてしまうほど面白い内容みたいなので、小説も読んでみよう♪
ところで、映画の中にザリガニ出てきたっけ??
もう一回観るしかないな。。
観賞中、思い出した映画
もしかして、結末はこれと似てるのかな??と思った映画。文字が読み書き出来ないカイヤに文字を教えるテイト。 その姿に、この映画を思い出しました。
少年が遺体を見つけちゃうところで思い出したやつ。
最後に衝撃が走る映画といえば、、これもあるね。
まとまりの無い話になってしまったけど
気になる人は、無料公開がいつまでか分からないので、すぐに観て~
本日もご覧くださりありがとうございました♪
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